もうあと50年は引っ越したくない。
動物と暮らしたいんじゃ
あれは確かまだ緑のまぶしい5月のころ。
定期的にチェックする賃貸情報。
スクロール、スクロール、スクロール…
え、その辺の地域って意外にそんな値段でこの間取りに住めるの?
もしかしてペット可物件って探せば出てくる?
こうして何度となく思い描いては消えていった願望が大きく頭をもたげることとなる。
夢広がりフェーズ
一度広がった夢は母にまで波及し、事態は大きく動き始める。
もともと母とは歩いて数分圏内に別々の居を構えていた。
母は同居によりわが子が行き遅れることを案じていた。
しかしどうだ。
一向に現れる気配のない子供の将来の伴侶。
動物を飼うに当たって着実に近づくタイムリミット。身体的な意味で。
2人は共に住むことを決意する。
事態は混迷を極めた
いよいよスタートするペット計画。
そもそもきっかけが良さげな物件を見つけたところから。
正直、余裕の構え。
結果、惨敗。
まずもって母と娘の重視するポイントがすれ違いまくっている。
ペット可ぐらいしかかみ合ってない。
あちらを立てればこちらが立たず。
いつの間にか季節はみずみずしい草木が赤や黄に染まるころ。
十数年分の生活の重み
そんなこんなで思い立ってから半年ほど過ぎたころ、突然の吉報によりとんとん拍子に物件が決まる。
となれば次に待つのは現拠点の片付けであった。
重たすぎる腰のせいで着実に積み重ねられた生活の痕跡。
次々と出てくる大事にしまわれたごみたち。
8年前にベローチェでお茶飲んだレシートいったい何?
そして巣立ちへ
最終的に終活第1弾と銘打って8割がごみとしてドナドナされた。
これを機になんでもかんでも思い出フォルダにカテゴリする悪癖を直したいと思います。
ただしペットのものは片っ端から保存するのですでに雲行きは怪しい。
あばよ、下の部屋のくしゃみおよび隣の部屋のいびきが轟く壁極うす物件。
大学上京からくそお世話になりました。
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