言葉について考える時間が一般的なビジネスマンよりもたぶんほんの少しだけ多い、くじらぱんです。
こちらは定説とともに、私見を存分に交えた解説をする記事になっていますので、その点ご留意をお願いします。
本日のお題
というわけで、じゃん。
本日のお題はこちら。
侃々諤々(かんかんがくがく)
喧々囂々(けんけんごうごう)
喧々諤々(けんけんがくがく)
紛らわしっ。
日本語って五十音しかないのによくここまで言葉が増えたもんだなと感心します。
言葉の意味
それでもってそれぞれの意味がこちら
侃々諤々
『ハンディ版実用国語辞典(縦組版)』第5版、成美堂出版
剛直で遠慮することなく直言すること。
喧々囂々
大勢が喧しく騒ぎ立てる様子。
喧々諤々
議論が活発で収拾がつかず騒がしい様子。*「喧々囂々」と「侃々諤々」の混用。
侃々諤々
『用例でわかる四字熟語事典』初版、学習研究社
自分の考えを遠慮なく言うこと。また、盛んに議論をするさま。
喧々囂々
たくさんの人ががやがやとやかましく騒ぎたてるさま。
喧々諤々
いろいろな人がさまざまな意見を言って、まとまりがつかず、ただ、がやがやとやかましいこと。「喧々諤々」は両方のことばを混同したもの。「侃々諤々」と「喧々囂々」が混じり合ってできたことばで、それぞれの誤用から生まれたもの。
手元にあった辞書からの引用。
それぞれの定義はこのようになっているようです。
所感
以上2つの出典から分かるとおり、
侃々諤々=侃々諤々+喧々囂々
いわゆるハイブリッド言語なんですね。
混用として辞書にも載っているくらいの言葉ですが、元は誤用。
混用と誤用もなかなか紙一重な言葉なものです。
使用場面
混用とはいえこの喧々諤々、体感として使う人はとても多い。
元ネタの侃々諤々と喧々囂々より聞くんじゃないかと思うくらいによく聞きます
だいたい
いやー、この間の企画会議なんかもう喧々諤々でしたよー
みたいに使われてる感じ。
みんなやいのやいの言ってまとまらんから大変だわなニュアンスが多いから、意味としてはおおむね喧々囂々の流れをくんでいそうです。
辞書を見てもほとんど喧々囂々に寄ってますね。
ごくまれにもともとの喧々囂々は聞くことはあっても、侃々諤々にまみえることはほぼないのも不思議ポイント。
そのうち侃々諤々なくなっちゃいそう。
すごく余談
喧々諤々、犬で例えるとポメプーとかチワックスみたいなものなんでしょうか。
一昔前は全部一緒くたに雑種やミックス犬と表現されていたものが、いつのまにやら市民権を得た言葉に変わっていくんですね。
こういう変化をちょっぴり寂しいと感じるようになるのは年齢を重ねた証拠だろうか。
人間に関しては今のところハーフやクオーターとざっくり呼称が一般的ですが、そのうちアメニーズとかチャイアンとか言いだしそう。
日本人って規律に厳しいとか頭が固いとかよくいうけど、模倣して応用するのも好きだから驚くほどの柔軟さを見せる面もありますよね。
和製英語だの国字だの、おまえらのことだ。
カレーとかラーメンとか、よその国の食にアレンジ加えて完成させるところなんて執念すら感じる。
平仮名、片仮名、漢字、アルファベットまで操る、なかなかに稀有な国でもある気がします。
ほかの文化取り入れるの大好きじゃん。
話が大いにそれました。
みんな、侃々諤々のことも忘れないでくれよな。
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